おすすめ本、シュレーディンガー「わが世界観[自伝]」 
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おすすめ本、シュレーディンガー「わが世界観[自伝]」 

04/23/2019

sumireです。突然ですが、わが世界観[自伝]を読んでみて良かったので、皆さんにも薦めます。[この本(画像のやつ)初版2刷のもので古本屋で購入しました。一番新しいのはちくま学芸文庫さんのやつですが、残念なことに絶版になっているようです。図書館とかで頑張って探してみてください]

本書は波動方程式でおなじみのシュレーディンガーさんが執筆したもので、本書は”自伝“と自身の哲学的思想を書いたエッセー ”道を求めて”と”現実とは何か”から成る”わが世界観”の三つで構成されています。また、翻訳された本には珍しく上手く翻訳されており読みやすいといった点でもおすすめです。(監訳者が計4人もいる。)

”自伝”

“自伝”は死の間際1960年に執筆されたもので、加筆の余地があったものの、結核により亡くなったため未完成です。幼年期から1960年7月までの自分の人生を6つに区切り、それぞれを第1〜6の時代としています。家庭環境、友人、結婚、興味等を知ることができます。ただし、恋愛については書かれていない。(著者自らがここでは触れないとか言っている)

”わが世界観”

”わが世界観”は二編のエッセイからなります。これらのエッセイは執筆時期が大きく離れており、”道を求めて”は1925年に執筆され、”現実とは何か”は晩年、1960年に執筆されました。「内容はなかなか難解ではありますが、よく話が整理されており、自然に読み進めることができると思います。

1つ目の”道を求めては”10章からなるエッセイですが、1章から10章まで流れるように体系立てて書かれています。第1章を除く全ての章は以前の章で説明したことを基に話が展開し、可能な限り読者に不明な点がないように配慮されているため読みやすいです。(それでも私には大変でしたが笑) 2つ目の”現実とは何か”は5章からなるエッセイですが、これも同様の配慮がなされているため読みやすいです。訳者あとがきでも触れられていますが、幼少期から文学的才能があったようで、、編集者なしでここまでまとめられるのは恐ろしいと思いました。

シュレーディンガーさんが述べている内容は、単純かつ難解(いやほんとに)で、しかも繊細(彼が本書言っているように意味の取り違えやすい)なので私はこれをあえて(ここ大事)要約することはしません。ですが、読めば確実に新しい気づきが得られると思います。(生物系の話題も出でくるので、専攻の人とかはより関心をもてるかも、また、不確定性原理も直接は触れられませんが本書の重要な主張と関係していると思います。)

最後に

 1回目に読んだときは、超流し読みをしていたこともあって、本書の主張を完全に取り違え、シュレーディンガーさんって以外にスピリチュアル系の人なんだなと誤解していましたが、2回目にしっかりと通読したところ、バリバリ研究者的な語り口で明晰に話を展開していることに気づき、心の中で謝りました。

古い本ではありますが、現代では、なかなか触れることのできない思想に触れられる良書だと思います。ぜひ一度読んでみてください。

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